こんにちは、Mitoです。
私は3Dcadでの設計、モデリングを生業としています。
先日LEDミニランタンをトレースして本ブログ上に公開しましたが、よくよく考えると普通3Dcadなんか入れているほうが少数派だよなと我に返りました。
しかし、キャンプギア好きな人はカスタマイズも好きなはず!
そんな方に是非3Dcadの普及を推進すべく無料で使用できる3Dcadの紹介します。
使い方を覚えればギアカスタム図面も思いのまま引けるようになります。
無料で利用可能な3Dcad
操作を覚えるまでは時間がかかるかもしれませんが、これから紹介する無料CADの機能はプロが使うものと同等です。趣味のカスタムギアを作るくらいなら充分すぎる程の機能です。
Autodesk Fusion 360
Autodeskが提供する工業用3DCAD。個人利用、従業員数 10 名以下、年間総収益 10 万ドル未満の企業のスタートアップ企業、教育関係者、学生は無料で利用できます。
こちらからダウンロードできます。無償体験版を選択して下さい。
対応OS | Windows |
インポートできる拡張子 | 3dm,asm,CATPart,ipt,iam,obj,sldprt,step,stl,etc |
エクスポートできる拡張子 | f3d,f3z,fbx,ipt,iam,obj,skp,smt,stl,step |
作図機能 | ソリッドモデリング、サーフェスモデリング、アセンブリ、図面作成 |
モデリング形式 | フィーチャーモデリング |
2020年に無料版に一部制限がついたようです。(エクスポートできる拡張子の制限等)。
stepとstlでエクスポートできれば全然問題ないです。
stepとは違うCAD同士でデータをやり取りするのに便利な中間データ形式で、stlとは3Dプリンターにデータを流し込むときに使う代表的なデータ形式です。
また、メジャーなソフトウェアなのでネットや書籍で独自に勉強可能なところもおすすめです。
PTC Creo Elements/Direct Modeling
ptcが提供している3Dcadの無料版です。このCADの特徴は何といっても『ダイレクトモデリング』です。粘度をこねるように自由に形状を作っていくことが出来ます。
初めての方は先に紹介したFusion 360より馴染みやすいと思います。
ダウンロードはこちらから入り無償試用版を選択して下さい。
対応OS | Windows |
インポートできる拡張子 | pk2,se2,env,iges,step,mi,dwg,dxf |
エクスポートできる拡張子 | pk2,se2,env,stl,wrl,jpg |
作図機能 | ソリッドモデリング、サーフェスモデリング、アセンブリ、図面作成 |
モデリング形式 | ダイレクトモデリング |
なお無料版の制限としては、
・1アセンブリ内に60パーツまで
・書き出し拡張子の制限(上記参照)
・72時間ごとのオンラインライセンス確認
となっていますが、趣味でパーツ作りする分には何ら不都合はありません。モデリング機能は100万円以上する有償版と同じですのでこだわりの形状も作れちゃいます。
Onshape
Onshapeは業界初のフルクラウド3DCAD!Webにアクセスするだけで利用を開始できます。
こちらから試行版の申し込みができます。
無料利用の場合は個人利用で登録してください。
注意点としては保存した3DモデルはOnshapeクラウド上で一般公開されます。見られたくない方は有料プランに申し込む必要があります。
対応OS | Windows,Mac,Linux(OSに依存せずブラウザ上で動作) |
インポートできる拡張子 | dwg,iam,dxf,iges,CATPart,obj,neu,3dm,sat,sldprt,step,stl,etc |
エクスポートできる拡張子 | dwg,ipt,dxf,igs,sat,step,stl |
作図機能 | ソリッドモデリング、サーフェスモデリング、アセンブリ、図面作成 |
モデリング形式 | フィーチャーモデリング |
使ったことないから登録してみよう!
まずパブリックで他の方が作ったモデルを見れるのが面白いですね。(閲覧のみで編集は出来ないようです。)
さらに作って公開されたモデルにはいいね!の数やいくつコピーされたかの数も表示されます。
創作意欲がわくイマドキっぽいシステムでSNSとの相性よさそうです。初めて3Dcadを触る方にも興味を持ってもらえるかと思います。
フリー3Dビューア
こちらはweb上に公開されている3Dデータを見ることができる閲覧ソフトになります。
ただくるくる回して見るだけでも楽しいんですけれど、知りたい寸法を計測したりもできるので簡単に3Dデータを見たい場合は難しい操作を必要としないソフトウェアです。
eDrawings Viewer
トヨタ等でも使用されているハイエンドCAD『CATIA V5』、設計業界で最も多く利用されているミッドレンジCAD『SOLID WORKS』を有するダッソーシステムズが提供する無料の3Dビューアです。
こちらから『windows版eDrawings Viewerを無料ダウンロード』を選択してダウンロードできます。
対応OS | Windows,Mac,iOS,Android |
インポートできる拡張子 | eprt,easm,edrw,sldprt,sldasm,slddrw,stl |
先に挙げたCADは1ライセンス百数十万~数百万もするので、中小企業の場合、設計者以外の手元においそれとは導入できない代物です。そこで図面を確認するだけに特化した3Dビューアが役立ちます。
iOSやAndroidにも提供しているのでモバイルからデータ確認できるのはうれしいですね。
まとめ
冒頭でキャンプギアカスタム用に3Dcad推進したのでその視点でおすすめすると、
モデリングしたデータを3Dプリンターで出力してオリジナルカスタム部品を作る流れになるかと思います。そこで必要になるのが、stlでのデータ出力になります。
今回紹介した3つの3Dcadは全てstl出力可能です。また各特長として、下記が挙げられます。
- Autodesk Fusion 360:初心者向けの操作方法説明が書籍やネット上で調べられる。
- PTC Creo Elements/Direct Modeling:ダイレクトモデリングによる直感的な設計。
- Onshape:複雑なインストールや設定不要。ブラウザ上ですぐ設計が始められる。
せっかく無料で使えるツールですので、いろいろ試して自分にあったCADを探してみてはいかがでしょうか?
それでは楽しいモデリングライフを!