電気料金の値上げが止まらずどうすりゃいいんだ!
こんな叫びが止まりません。以前家計を見直す一環で電気代のシミュレーションを行いました。
その時は電力会社の変更は見送りましたが再度チェックする時期がきたのかもしれません。
この記事を見たということはまさに同じ考えなのではないでしょうか?
今回は、現在の電気料金値上げの背景と節電対策について再度理解するために書いていますので、そんな気持ちで読んでもらえたら嬉しいです。
電気料金上昇の背景
連日ニュースで電気料金上昇が取り沙汰されています。まず、電気料金の構成を理解した上で理由を探ってみましょう。
電気料金の構成
電気料金は以下の4つの構成から成り立っています。
1.基本料金
契約内容によって決定する固定料金です。電力会社によりアンペア数で基本料金が変動したり、最低料金として一律基本料金が決まっていたりします。
こちらで、電力会社の設備、人件費や諸経費が賄われます。
北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、九州電力
関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力
2.電力量料金
いわゆる電気の使用量です。使用した分と比例して電気料金の請求額が上がります。
多くの電力会社では3段階の料金単価を設定しており、東京電力を例にすると
といった具合ですね。
3.燃料費調整額
電気を作るためには、原油/液化天然ガス/石炭等の燃料が必要です。日本では、この資源のほとんどを輸入しており、為替などの変動で燃料料金が変わります。
この燃料料金を調整するのが、『燃料費調整額』となるわけです。
4.再エネ賦課金
正式名称『再生可能エネルギー発電促進賦課金』。賦課金(ふかきん)って読むんですね。
太陽光などの再生可能エネルギーを電力会社が買い取る制度が10年ほど前に制定されました。その際に導入された料金です。
電力会社が上記エネルギー買取にかかった費用の一部を消費者が負担しているっていうことですね。
上昇の理由
電気料金が4つの構成で成り立っていることを先に説明しましたが、現在の価格上昇の大きな理由は『燃料費調整額』によるところが大きいです。
火力発電が主たる発電となっている日本において液化天然ガス(LNG)は必要不可欠なものです。
燃料を輸入している我が国は以下の世界情勢による燃料高騰のあおりを受けています。
新型コロナウイルスの流行による世界的な経済停滞
この停滞により油価低迷や世界的な化石燃料からの投資撤退(ダイベストメント)の動きが加速し、結果的に燃料高騰に繋がりました。
ロシア軍のウクライナ軍事侵攻
アメリカ/EUが実施したロシア経済制裁による輸出入制限で燃料高騰が発生。(ロシアはLNG輸出額世界1位、原油石炭の輸出額世界3位)
脱炭素社会への動き
脱炭素社会を目指す一環として石炭、石油よりCO2排出量の少ないLNGへの切り替えが各国で進んでいます。このLNG需要増加も燃料高騰の一因になっています。
節電対策
電気料金の構成、上昇の理由を理解したところで次は我々が出来る節電対策です。
『燃料費調整額』、『再エネ賦課金』は個人レベルで対策できることではないので、
自ずと『基本料金』、『電力量料金』で対策するしかありませんね。
電気使用量の高い家電を対策する
・エアコン
・電気冷蔵庫
・照明器具
電気使用量の高い家電の節電が効果的なので改めて自分でできる節電方法を見直していきましょう。
◆厚着する
これから冷え込む季節になるとますます使用頻度が高くなる電気使用量No1のエアコン。
環境省が推奨する設定温度は、冷房28度、暖房20度とのこと。
また設定温度を1度変えるだけで、消費電力が10%程度変わります。
今年は設定温度をいつもより1度下げていつもより1枚多く厚着するのが良いかもしれませんね。
◆食料品を買いだめしない
こちらも電気使用量が高いことでお馴染みの冷蔵庫。
冷蔵庫にパンパンに食料品を詰め込むと効率が悪くなり、冷蔵機の稼働が上がり電気代が高くなることは有名です。
あまり余分な食料品は買わずに冷蔵庫に30%程度の余裕空間を作ることで満杯に入れた時より約10%の節電効果が生まれます。
また、意外なことに冷凍庫はパンパンに詰め込んだほうが節電効果が高いようです。知らなかった。。。
冷凍された食品自体が保冷剤と同様の効果になり冷凍機の稼働抑制につながるわけですね。
◆早寝早起き
照明器具の利用をなるべく控えるには、早く寝て早く起きるに限ると思います。制度として幾度か検討されているサマータイムも同じ考え方ですよね。
家族の場合、各部屋で過ごす機会の多い夜より、朝に家族そろって居間で過ごせば節電とコミュニケーションの一挙両得になります。
◆(番外編)水道管の凍結防止用ヒーター
雪国では冬期間、水道管凍結防止のために電熱線ヒーターを使うのは常識になっています。(我が家にもついています。)
おおむね12月~3月の間、24時間コンセントに挿しっぱなしなのですごく電気代がかかるのです。
ここまで電気代が上がってきたので、この記事を書いている最中に下記をぽちりました。
その効果は2023年の春にお伝えしたいと思います。
ご家庭の水道凍結防止ヒーターに取り付けるだけで特許技術FTC比例制御回路の働きにより、水道凍結防止ヒーターにかかる電気代をおよそ90%節約する水道凍結防止ヒーター用節電器です。
引用元:テムコ株式会社HPより
◆ブレーカーのアンペア数見直し
最近は、月々の電気使用量のお知らせもペーパーレス化しています。
そうなってくると自分の家のアンペア数っていくつだっけ?ってなりますよね。
基本料金がアンペア製の会社に限る節約方法ですが、大きな電気を使う家電を同時に使わない工夫をすればアンペア数の低いブレーカーに変更可能かと思います。
一般的な一軒家であれば40アンペア程度とのことですが、子供が一人暮らしを始めたなど家族構成の変化があったとすれば、30アンペアに見直す等もありなのではないでしょうか?
電力会社の見直し
上記の節電の他、大きな節約方法はやはり電力会社の見直しでしょう。
2016年の電力自由化により、電力大手10社以外からでも電力会社を選べるようになり,市場競争が生まれ、消費者もより良いサービスを受けられる権利が生まれました。
半面、雨後の筍のようにたくさんの会社が電力販売を始め、自分に最適な会社を選択するのも難しい状況に。
そんなとき、エネチェンジという比較サイトを使えば、お住いの地域やスタイルに合った電力会社を調べることが出来て便利です。
エネチェンジで電気代を見直す エネチェンジで電気シミュレーションまとめ
つい先日(2022年10月28日)、電気・ガス料金負担軽減の総合経済対策が政府から発表されました。
来年1月から9月にかけて、ガソリン補助金も合わせて家庭負担を計4万5000円ほど軽減することを目指すとのことです。
これ自体非常に助かる政策ではありますが、一方で来春からまた各電力会社では家庭向け料金引き上げを国に申請する方針もあるようです。
やはり、電気代節約は最終的には個人で節電を意識するのがとても大事なのですね。
それでは有意義な節電ライフを!